引き出す。

思えば教職について19年目。教職に就くなど夢にも思っていなかった自分にとっては非常に不思議な感じがする。しかし、新興住宅地で育ち、昔から年上との関わりが薄く、年下とのつきあいの多かった自分にとって、年下の面倒を見るというのはある意味自然な流れであったのかも知れない。


自分自身はそんなに知識が豊富とは言えないが、何せ年上との関わりがほぼ皆無だったので、知識は親から得るか学校で学ぶがするしかなく、それ以外は自力で本を読んだりして得るしか無かったので、色々本は読んできた。そのおかげか自分なりの問題解決力というか情報収集力というかそんなものは身についているのだと思う。
あと公文式でさんざん基本的な計算を叩き込んだので、中学ぐらいまでの数学は割と脊髄反射的に答えが出せるようになった。


今の職場は入試がないので、学生の学力は本当にバラエティーに富んでいる。大学の夜間部よりもバラエティーに富んでいる。でも、今の数値上の学力が低い学生でも、自分ができることをできないと感じているために問題を解けない学生が多くいるように感じる。


%の計算などがそうだ。○○の90%の重さを求めよ、という問題でも解説で「0.90をかける」または「90/100をかける」という式を書くと、「何故0.9が出てくるのか」「何故90を100で割る」のか(表面上)解らない。


でも「200gの50%は?」と聞くと「100g」と答えられる。そう、彼らも脊髄反射で解答できるのだ。彼らに問題を難しく感じさせている他の要因があるんだ。それは国語の読解力であったり、中学・高校以上の勉強をしているという意識(苦手意識)だったりすると感じている。


こういう学生には公式がどうこう言っても、難しく考えたり、ヒドイ場合は思考停止になる。でも上記の「200gの50%は?」のように脊髄反射で答えられるレベルの問題にかみ砕いて、解けたら「頭の中でどういう計算していた?」と聞くと、自分なりの計算方法に当てはめることができるようになる。


すべてが上手くいっているわけでは無いけど、ひとつでもこういう事例を増やして、できることを「引き出す」ようにしていきたいなぁ、と思ったので長々と書き綴ってしまった。明日も仕事だ。そろそろ寝よう。